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相続人申告登記制度を利用することで「10万円以下の過料」を回避可能に

司法書士見習いの小野寺です。
今回は、以前投稿した「相続登記義務化。3年以内に登記しないと過料に」に関連する内容として、相続人である旨の申出等による登記(相続人申告登記)について簡単に紹介していきます。
(具体的な申請方法がまだ決まっていませんので、今回は「こういった主旨の制度が将来施行されます」というご紹介の記事になります)

相続登記義務化に伴って新設された制度です

相続登記義務化によって「いつまでも相続登記をせずにいると、10万円以下の過料が科される場合がある」ことについては、前回の記事でお話させていただきました。

この制度の問題点として、遺産分割協議で揉めてしまったり、相続人の調査が難航していたり、連絡が取れない相続人がいたりして相続登記を進めたくても進められないケースであっても、期限を過ぎれば過料が発生してしまうことが挙げられます。

この問題を回避するための方法が、相続人申告登記です。

申告した人だけ義務を履行したことになります

「この不動産の登記名義人について相続が開始しました。自分が相続人です」と法務局に申告することで、相続登記申請義務を履行したことにしてもらえます。
これが相続人申告登記です。

基本的には「自分が相続人です」と法務局に申告した人だけが、相続登記の申請義務を履行したことにしてもらえるので、例えば相続人であるAさん、Bさん、Cさんのうち、Bさんだけが申告して、Bさんの住所氏名が付記された場合、Bさんだけは10万円以下の過料発生リスクがなくなります。

しかし、AさんとCさんはまだ申告義務を果たしていないので、過料発生のリスクがまだ存在します。
ただ、Bさんが3人の代表として申告していた場合には、AさんとCさんも申告義務を履行したことになります。

権利変動は起こらない

相続人申告登記をしただけでは、所有権の変動は起こりません。
法定相続人を全員調査する必要も、持分を明らかにする必要もない、非常に簡易的な登記なので、あくまで「登記簿上の所有者が亡くなった」ことと「相続人がこの人である」ことを公示するにとどまります。

「誰が相続したか」について公示するものではありません。
つまり、相続人申告登記をしただけでは所有権は移りません。
(売却したり、担保にしてローンを組んだり、などもできません)

相続登記をせずに済むわけではありません

相続人申告登記をしておけば、相続登記をする必要はない…というわけではありません。
そもそも相続登記を済ませなければ、相続人の方は、相続した土地を売却したり、担保にしてお金を借りたりすることもできませんし、第三者に「自分がこの不動産の所有者だ」と主張することもできません。

相続登記が義務化されることによって「今、手間と費用をかけずに後回しにする」ということができなくなりました。
放置すればするほどより手間と費用がかかるようになるので、むしろ「相続登記をしないことによるデメリット」が増えたとも言えます。

(特に、相続登記を済ませないうちに更に相続が発生したり、相続人の一人が認知症になったりした場合、手続きが非常に複雑になります)

何か気掛かりなことがある場合には、手続をなるべく簡単に済ませるためにも、是非とも、可能な限り早い段階でご相談ください。

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